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価格戦略の決め方:バリューベースプライシング入門【実務で使える解説】

企業の成長を左右する重要な要素の一つが「価格戦略」です。
同じ商品・サービスでも、価格の付け方によって収益性やブランドイメージは大きく変わります。
近年注目されているのが 「バリューベースプライシング(Value-Based Pricing)」 です。これは従来の「コストプラス型」や「競合ベンチマーク型」とは異なり、顧客が感じる価値に基づいて価格を設定する 方法です。
本記事では、バリューベースプライシングの基本、導入ステップ、実務上の注意点を解説しながら、中小企業や新規事業にとってなぜ有効なのかを詳しく説明します。
なぜ価格戦略が事業成長の鍵になるのか?
価格は売上を構成する「数量」と「単価」のうち、直接的に収益を左右する要素です。
数量を2倍にするのは難しくても、単価を5〜10%上げるだけで利益率が大きく改善するケースは少なくありません。
価格が持つ3つの力
- 収益性への即効性
価格を数%調整するだけで利益率に直結。 - ブランドポジションの決定要因
高価格=高品質、低価格=コモディティ化、と顧客は無意識に認識します。 - 顧客選別のフィルター
適切な価格設定は「本当に価値を理解する顧客」に集中する仕組みになります。
バリューベースプライシングとは?
バリューベースプライシングは、「顧客が得られる価値(ベネフィット)」に焦点を当てて価格を設定する手法です。
つまり、原価+利益 ではなく、顧客が支払っても良いと感じる価値の大きさ に基づいて決めます。
従来の価格設定との違い
- コストプラス型:原価に一定のマージンを加える方法
- 競合ベンチマーク型:同業他社と横並びにする方法
- バリューベース型:顧客の感じる価値に基づいて設定する方法
たとえば「腰痛を軽減する作業靴のインソール」の場合、原価は1,000円だとしても、従業員の作業効率や健康改善につながれば企業にとっての価値は何倍にもなります。このとき、顧客価値=従業員1人あたりの医療費削減+生産性向上 という視点で価格を決めるのがバリューベースの考え方です。
バリューベースプライシング導入のステップ
1. 顧客セグメントを明確にする
顧客が誰で、どんな課題を持っているのかを具体的に絞り込みます。
BtoBであれば業界別、企業規模別に整理することが有効です。
2. 顧客価値を定量化する
「使うとどのくらい効率化できるのか」「どれだけコスト削減できるのか」を数値化します。
- 作業時間が10%短縮される
- 故障率が20%減少する
- 医療費が年間100万円削減できる
など、顧客が納得できる「価値の裏付け」を作ることが重要です。
3. 支払意思額(Willingness to Pay)を把握する
アンケートやABテスト、営業現場での商談フィードバックから「いくらまでなら支払うか」を調査します。
4. 価格レンジを設定する
最低ラインは「コスト+必要利益」、上限ラインは「顧客価値」。
その間で「最適な価格レンジ」を決めます。
5. 継続的に見直す
顧客の利用状況や市場環境は変化するため、価格戦略も定期的に調整が必要です。
実務で起きやすい課題と解決法
課題1:顧客に価値を伝えきれない
→ 価値訴求型の営業資料や導入事例 を活用。数字で伝えることが大切。
課題2:価格に対する抵抗感
→ 「初期導入価格」や「トライアルプラン」を設けることで心理的ハードルを下げる。
課題3:社内での価格合意が得られない
→ 経営陣・営業・マーケティングで共通の「価値定義」を持ち、意思決定の基準を揃える。
バリューベースプライシングの成功事例(イメージ)
- 製造業向けのセンサー機器
原価数千円のセンサーでも「工場全体の事故削減効果=数千万円」に基づき、数十万円で販売。 - 教育プログラム
「探究学習×企業連携プログラム」を単発教材としてではなく「未来人材育成」という付加価値で数倍の価格を実現。
このように、顧客にとっての「成果」を中心に据えることで、高価格でも納得して選ばれるのがバリューベースの強みです。
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特に製造業・物流業界における ウェルネス関連事業(インソール、骨盤ベルト、姿勢測定など) で実績があり、実務に即したノウハウを蓄積しています。
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